今年話題になっているティール組織はインテグラル理論(ケン・ウィルパー)をベースに語られています。僕の周りでは、無自覚にすでにティール的な働き方をしている人が多いです。
個人の内面を観察した結果によって得られた様々なものを、どのようにコミュニケーションに活かせるのか。僕にとっても大きな課題です。
友人の株式会社インキュビットの代表である北村尚紀さん。北村さんは個人的な体験を、インテグラル理論を用いて、会社経営にシステムとして実装できないかと考えています。そんな論考を紹介したいと思います。
まず、インテグラル理論の簡単な説明です。
インテグラル理論は、人は生まれて自己中心的であるけれど、次第に所属する集団のことを考えるようになり、最終的には世界や宇宙のことを考えるようになる、その人間の発達心理を利用して、集団における倫理、物理世界との調和を目指していこうというものです。
昔からある「真善美」という世界の捉え方を考えてみましょう。美は個人の内面からくる衝動で、善が所属する集団にとっての良いこと、そして真は個人や集団の外にあるものを観察し、それを身体や生活様式に取り込むとことと言えると思います。
インテグラル理論はこの真善美を一つ増やして、4つに分けて、「四象限(よんしょうげん)クオドラント」と呼んでいます。
▼四象限 個人の内面 個人の外面 集団の内面 集団の外面
そして、「レベル」「ライン」「ステート」「タイプ」というフレームワークをつかって、個人の成長を軸に、集団と物理世界との調和を目指していく方法論です。
▼レベル 1、衝動的段階(インフラレッド) 2、呪術的段階(マゼンダ) 3、利己的段階(レッド) 4、神話的段階(アンバー) 5、合理的段階(オレンジ) 6、相対的段階(グリーン) 7、統合的段階(ティール) 8、超越的段階(ヴァイオレット)
ここは、書籍『ティール組織』の冒頭でもでてくる軸ですね。レベルはその時の内面と外面の状況に拠って、行ったり来たりします。
▼ライン 1、認知 それは何か。 意識とは何か。 2、自己 私とはだれか。 3、価値 価値とは何か。 何が重要なのか。 4、道徳 良いこととは何か。 5、対人関係 他者とは何か。 どのようなコミュニケーションが可能か 6、スピリチュアル すべてのバランスをどうとるのか。 7、欲求 何が欲しいのか。 欲望を見極める。 8、運動感覚 身体の知覚。 仏教的五識、五感。 9、感情 苦しみ、痛み。広がり。どう感じるのか。 10、美意識 美とは何か。何が美しいのか。
ラインは、所属する集団の文化などによって変化します。このサイトの「本質」のところで、少し書いているけど、ミシェル・フーコーが「エピステーメー」と言っているように、時代や文化によって、変化していくのです。
▼ステート 覚醒意識と変性意識。 覚醒、夢見、熟睡、観想、非二元
いわゆる、脳波の状態です。変性意識の脳波の周波数はこんな感じらしいです。
・デルタ 熟睡(3-7) ・アルファ まどろみ(4-7) ・シータ リラックス(8-13) ・ベータ 覚醒(14-33) ・ガンマ 悟り(40)
悟り系の脳派は疲労がきますのでよく寝ることが大切っす。グリア細胞との関係もあるでしょう。他にも意識の状態を表す言い方は色々ありますね。トランス、シャーマニズム、非日常、瞑想、幽体離脱、妖怪見えるなどなど。。。いずれも脳波の状態によって、内面と外面が色々と交錯して、新たにリアリティを作っていると言えます。
▼タイプ 合理的なことが好き。 お世話が好き。 名誉が好き。 ユニークなことが好き。 熱中していたい。 忠実でいたい。 快楽を探求したい。 支配していたい。 マイペースに平和を愛したい。 などなど。
たとえば、僕が昔体験したものにバークマンメソッドというものがありました。それは主に組織の中での機能をベースにして人のタイプを4つに分けます。
実行促進型 関係構築型 管理運営型 企画立案型
自分は実行型だから、管理型の人と一緒にいると相性が良いとか、逆にエンジニアと管理者という立場をつけられちゃって喧嘩しちゃうとか。。。タイプをどのような種類に抽象化するかによって、生活での話にしたり、組織論の話にしたりできます。
まとめると、インテグラル理論とは、「自分のタイプ」を探しながら、「意識の状態(ステート)」をコントロールして、「自分の好きなライン」から「レベル(抽象度)」を上げていく。そうやって個人を成長させ、自分が所属する集団における道徳、そして物理世界との調和をとっていく感じでしょう。
阿頼耶識から言語になる機序、禅の公案をぐるぐる回すような動き、これらを詳細に記述していっても同じような説明になっていくと思います。
ということで、北村さんにバトンタッチ!
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https://www.alaya-exp.com/integralmanagement
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